慌ただしい毎日、心とからだ、おいてきぼりになっていませんか。
ふと時計を見ると、もうこんな時間。くたくたになって帰り道の電車に揺られながら、今夜のごはんは何にしよう、とぼんやり考える。スーパーに寄って、あれこれ献立を考える気力も残っていない、そんな日もありますよね。
でも、お腹はすくし、何か温かいものが食べたい。そんなわがままな気持ちに応えてくれるのが、冷蔵庫の中に眠っていたありふれた食材たちでした。
冷凍庫のすみっこにあった鶏の手羽元。ただ塩こしょうをふって、魚焼きグリルに並べるだけ。あとは火におまかせです。ぱちぱち、と皮がはぜる音。香ばしい匂いがキッチンに満ちてくると、さっきまでの疲れが少しだけ和らいでいくような気がします。

お肉を焼いているあいだに、野菜室をのぞいてみます。少しだけ残った大根と、使いかけのハム。千切りにして、彩りに枝豆をぱらり。さっぱりとした和え物が一品できました。
そして、空っぽのお腹を満たしてくれる具沢山の汁物。にんじん、玉ねぎ、きのこ。ことこと煮込む音は、心を落ち着かせるおまじないのよう。野菜のやさしい甘みが溶け出したお汁が、からだの隅々まで染み渡っていくのがわかります。

炊き立てのごはんと、常備菜のきゅうりの漬物を添えれば、わたしだけの定食のできあがり。特別なものは何ひとつないけれど、湯気の向こうに見えるのは、かけがえのない「わたしの時間」です。

こんがり焼けた手羽元は、皮はぱりっ、お肉はほろり。夢中でかぶりつきます。しゃきしゃきとした大根の歯ざわりも心地いい。そして、ふうふうと冷ましながらいただくお汁の、なんて温かいこと。
ちゃんとしたものを作らなきゃ、と無意識に肩に力が入ってしまうけれど、本当は焼くだけ、煮るだけで十分なのかもしれません。
凝った料理じゃなくても、誰かに見せるためじゃなくてもいいんです。ただ、今日の自分のために作るごはん。それが、明日への小さな活力になる。そんな風に思うのです。
今夜は、冷蔵庫にあるもので、自分だけのささやかな定食を作ってみませんか。
レシピ:手羽元の塩こしょう焼き
材料(2人分)
- 鶏手羽元… 6本
- 塩… 少々
- こしょう… 少々
作り方
- 鶏手羽元の水気をキッチンペーパーで拭き取り、全体に塩、こしょうをふる。
- 魚焼きグリルに皮目を上にして並べ、中火で10〜15分ほど、こんがりと焼き色がつくまで焼く。
調理時間の目安: 約15分
おいしく作るコツ: 焼く前に鶏肉の水気をしっかり拭き取っておくと、皮がパリッと香ばしく仕上がります。
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