慌ただしい毎日が続くと、心とからだがちょっぴりおいてけぼりになってしまうこと、ありませんか。
そんな日の夜は、手の込んだごちそうじゃなくていいんです。ただ、自分のために、静かに台所に立つ時間をつくってみる。それだけで、少しだけ気持ちが軽くなる気がします。
今夜の主役は、鶏むね肉。お鍋でことこと、やさしい湯気とともにゆっくり火を通していきます。焦らなくて大丈夫。その間に、きゅうりを薄切りに。とん、とん、とん。まな板の上で響く音が、なんだか心地いいんです。

湯気の中から現れるのは、ふっくら、つやつやの蒸し鶏。粗熱がとれたら、丁寧に切り分けていきます。そのしっとりとした感触が、指先から伝わってくるようです。

炊き立てのごはんに、具だくさんのお味噌汁。あとは、ありあわせの常備菜を少し。それだけで、私だけのための、ささやかで贅沢な和定食の完成です。
ぱりぱりのきゅうりと一緒に、じゅわっと旨味があふれる蒸し鶏をひとくち。じんわりと温かいお味噌汁が、からだの隅々まで染みわたっていくようです。頑張らなくても、これだけで十分、満たされる時間。

完璧な食卓を目指さなくても、目の前の食材と向き合い、自分の「食べたい」という気持ちに素直になること。そんなささやかな時間が、乱れた心をそっと元の場所に戻してくれるのかもしれません。一口一口、ゆっくりと味わううちに、凝り固まっていたものが、ほろほろと解けていくようです。
レシピ:蒸し鶏
材料(2人分)
- 鶏むね肉… 1枚(約300g)
- きゅうり… 1本
- 酒… 大さじ1
- 塩… 小さじ1/2
- こしょう… 少々
作り方
- きゅうりは薄切りにする。塩少々(分量外)をふって軽くもみ、5分ほどおいて水気を絞る。
- 鶏むね肉は厚みが均等になるように開き、フォークで数カ所を刺す。塩、こしょう、酒を全体にすり込む。
- 鍋に鶏肉がかぶるくらいの湯を沸かし、2を入れる。再び煮立ったら蓋をして火を止め、そのまま15〜20分おいて余熱で火を通す。
- 鶏肉を取り出して粗熱がとれたら、食べやすい厚さに切り分ける。
- 器に4を盛り付け、1のきゅうりを添える。
調理時間の目安: 約30分
おいしく作るコツ: 鶏肉は火を止めてから余熱でゆっくり火を通すことで、パサつかず、しっとりジューシーに仕上がります。


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