なんだか、ほっと一息つきたいな、と感じる夜はありませんか。
忙しい毎日、たまには肩の力を抜いて、食事の準備を楽しみたい日。そんな夜は、レシピに縛られなくていいんです。冷蔵庫にあるもので、ぱぱっと30分。今日の自分の「食べたい」という声に耳を澄ませて、勘で味付けをするくらいの、軽やかな気持ちで台所に立ってみませんか。

ある日の我が家の夜ごはんも、そんな風に始まりました。
今日の主役は、鶏の手羽先。片栗粉を薄くまとわせて、少し多めの油でじゅわっと揚げ焼きに。表面がきつね色になったら、お醤油とお酒、みりんを回しかけて、甘辛い香りがふわりと立ちのぼるまで煮絡めます。仕上げにごまをぱらぱらと散らせば、それだけでもう、立派なご馳走です。
もう一品は、旬のあさりと春キャベツで。お鍋にざく切りにしたキャベツとあさり、少しのお酒を入れて蓋をするだけ。あさりの口がぱかっと開いて、くたっと柔らかくなったキャベツにあさりの旨みが染み渡ったら、もうそれで十分。春の香りが食卓に広がります。
あとは、冷蔵庫の隅にあったきゅうりとトマトで簡単な和え物を一品と、お豆腐と卵でふんわり優しいお味噌汁を添えて。

特別な材料も、手の込んだ手順もありません。けれど、お皿に盛り付けて食卓に並べると、そこにはちゃんと「今日の自分をもてなす」ための、温かい光景が広がっていました。
甘辛い手羽先を頬張れば、心とからだが、じんわりと満たされていくよう。あさりの滋味深いスープをそっと啜れば、からだのすみずみまで、じんわりと温まっていくのを感じます。

レシピ通りにきっちり作ることだけが、料理のすべてではありません。
その日の気分で、自分の感覚を頼りに味を調えていく時間は、自分自身と対話する、とても穏やかで大切なひとときなのかもしれません。
「今日の私は、少し甘めが好きみたい」「この香り、なんだか落ち着くなあ」
そんな小さな気づきが、心を豊かにしてくれる。今日の気分で、勘で作るご馳走は、そんなささやかな喜びを運んできてくれるように思うのです。
レシピ:甘辛い手羽先
材料(2人分)
- 鶏手羽先… 6本
- 片栗粉… 大さじ2
- サラダ油… 大さじ3
- (A)醤油… 大さじ2
- (A)酒… 大さじ2
- (A)みりん… 大さじ2
- 白いりごま… 適量
作り方
- 鶏手羽先はキッチンペーパーで水気を拭き取り、全体に片栗粉を薄くまぶす。
- フライパンにサラダ油を入れて中火で熱し、手羽先の皮目を下にして並べ入れる。こんがりときつね色になるまで5〜6分揚げ焼きにする。
- 裏返して蓋をし、弱火で5分ほど蒸し焼きにする。余分な油をキッチンペーパーで拭き取る。
- 合わせた(A)を回し入れ、中火で手羽先にタレをよく煮絡める。仕上げに白いりごまをふる。
調理時間の目安: 約20分
おいしく作るコツ: 手羽先を揚げ焼きにすることで、皮はパリッと香ばしく、肉はジューシーに仕上がります。タレを加えたら、焦げ付かないよう手早く全体に絡めるのがポイントです。


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