からりと晴れた気持ちのいい日、なんだか無性に揚げ物が食べたくなって、腕まくりをすることがあります。
キッチンに響く、ぱちぱち、という油のはぜる音。そして、ふわりと立ちのぼる香ばしい匂い。それだけで、なんだか心が満たされていくのを感じます。今日の主役は、つやつやと金色に揚がった手羽先。スーパーで目に留まった、ぷりっとした手羽先をかごに入れた時から、今夜の献立は決まっていました。
特別なことは何もありません。いつものお醤油とみりん、お酒、それからほんの少しのお砂糖。ことことと煮詰めた甘辛いタレを、揚げたての手羽先にじゅわっと絡めるだけ。たったそれだけなのに、どうしてこんなにご馳走になるんでしょう。

ほかほかの湯気が立つ炊きたてのごはん、豆腐と白菜がたっぷり入ったお味噌汁。それから、箸休めにきゅうりとハムのさっぱりした和え物も添えて。気がつけば、いつもの食卓が、なんだかとても豊かな定食になりました。

熱々を、手で持って、ぱくり。かりっとした衣の向こうから、ほろほろとやわらかなお肉が顔を出します。甘辛いタレが口いっぱいに広がって、すかさずごはんを頬張る。この瞬間のために、今日一日があったのかもしれない、なんて思ったりもして。

一品ずつ、丁寧に品数を揃えなくてもいいんです。何かひとつ、心から「食べたい」と思える主役があれば、それだけで食卓は十分に満たされるもの。頑張りすぎず、でも心は豊かに。そんな日々の食卓が、明日への小さな活力になるのかもしれません。
頑張った日も、そうでもなかった日も、あたたかいごはんを囲む時間があるだけで、心はそっとほどけていく。そんな当たり前のようで、とても大切なことに気づかされた、ある日の食卓でした。
レシピ:手羽先
材料(2人分)
- 手羽先… 8本
- 片栗粉… 大さじ3
- 揚げ油… 適量
- (A)醤油… 大さじ3
- (A)みりん… 大さじ3
- (A)酒… 大さじ2
- (A)砂糖… 小さじ1
作り方
- 小鍋に(A)の材料をすべて入れて火にかけ、混ぜながら軽く煮詰めて甘辛いタレを作る。
- 手羽先はキッチンペーパーで水気をよく拭き取り、ポリ袋に入れて片栗粉を加え、袋を振って全体にまんべんなくまぶす。
- フライパンに底から1cmほどの高さまで油を入れ、170℃に熱する。手羽先を皮目を下にして並べ入れ、きつね色になるまで5〜6分揚げる。裏返してさらに3〜4分、中まで火が通るように揚げる。
- 油をよく切った揚げたての手羽先を1のタレに手早く絡め、皿に盛り付ける。
調理時間の目安: 約20分
おいしく作るコツ: 揚げたて熱々のうちにタレを絡めるのがポイントです。カリッとした食感を残しつつ、味がよくなじみます。


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