車の窓から流れる景色が、だんだんと見慣れた帰り道に変わるころ。楽しかったキャンプの余韻と、心地よい疲労感が体を包みます。家に帰ったら、まずは荷物をほどいて、温かいお風呂に入って、それから…。
そんな日の夕ごはんは、頑張らなくていいんです。むしろ、頑張らないほうが、心とからだにはやさしいのかもしれません。
旅の途中で立ち寄った、地元のお豆腐屋さん。その土地の水と大豆で作られたお豆腐と、ふっくらとした油揚げ。そして、キャンプで使いきれなかったお野菜たち。今夜は、その残り物たちが主役です。

お鍋に昆布を一枚しのばせて、ことことと。湯気がふわりと立ちのぼり、台所にやさしい香りが満ちていきます。主役のお豆腐は、ふるふると揺れて、出番を待っているかのよう。
お出汁がじゅわっと染み込んだ油揚げを頬張れば、旅の思い出がよみがえります。なんてことのない、シンプルな湯豆腐。でも、その土地の空気や思い出が、なによりの調味料になってくれるんですね。

せいろには、残っていた人参やブロッコリーを。蒸篭の蓋をあけたときの、湯気とともに立ち上る野菜の甘い香りがたまりません。ただ蒸しただけなのに、野菜ってこんなに甘いんだな、と改めて気づかされます。
特別なごちそうじゃなくていい。旅先で出会った食材と、冷蔵庫にあるものでつくる、気取らない食卓。そんな時間が、疲れた心をそっとほぐしてくれる気がします。

外で思いきり遊んだ日の夜は、こんな風にからだの芯から温まるものが、いちばんのごちそうなのかもしれませんね。
旅から持ち帰るのは、お土産だけじゃなくていい。その土地の美味しいものを少しだけ持ち帰って食卓に並べるだけで、旅の続きを楽しんでいるような、あたたかい気持ちになれる。そんなささやかな工夫が、日常を少しだけ豊かにしてくれるんだと、湯気の向こうに感じた夜でした。
レシピ:湯豆腐
材料(2人分)
- 豆腐… 1丁(300~400g)
- 油揚げ… 1枚
- 昆布… 1枚(10cm角)
- 水… 800ml
- うどん(ゆで)… 1玉
作り方
- 豆腐は食べやすい大きさに切る。油揚げは熱湯をかけて油抜きをし、食べやすい大きさに切る。
- 鍋に水と昆布を入れて中火にかける。沸騰する直前に昆布を取り出す。
- 鍋に豆腐と油揚げを入れ、弱火で温める。
- 豆腐が温まったら、うどんを加えて軽く煮る。
調理時間の目安: 約20分
おいしく作るコツ: 豆腐は煮立たせると食感が悪くなるので、沸騰させないよう弱火でじっくり温めるのがポイントです。


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