少しずつ空気がひんやりとしてきて、温かいものが恋しくなる季節になりましたね。
なんだか今日は、ゆっくりと丁寧にごはんを作りたい気分。そんなことを思いながら台所に立ちました。
主菜は決まったけれど、もう一品、なにか汁物がほしいな、と冷蔵庫をのぞきこみます。野菜をごろごろ入れるのもいいけれど、今日はもう少しだけ、心に寄り添ってくれるような、やさしいものが食べたい。
ふと、棚の奥にあるそば粉が目に入りました。そうだ、そばがきを作ろう。それも、いつものお醤油でいただくのではなくて、とろりとした和風のポタージュに浮かべてみたらどうだろう。

お椀にそば粉を入れ、熱いお湯を少しずつ注ぎながら、箸でくるくると練っていきます。 だんだんとまとまって、もちもちとした塊になっていく様子は、見ていてなんだか心が落ち着く時間。そば粉の素朴で、どこか懐かしい香りがふわりと立ち上ります。
鍋でことこと煮込んでいた、じゃがいもの和風ポタージュ。おだしをベースにしているので、心にじんわり染みる味わいです。ミキサーにかけてなめらかになったところへ、手でまるめたそばがき団子を、ぽとん、ぽとんと落とし入れていきます。まるでお風呂に浸かっているみたいで、なんだか可愛らしい光景です。

さあ、できあがり。ふうふう、と息を吹きかけて、ひとくち。ポタージュのやさしい甘みと、おだしのいい香りが口の中に広がったあとから、もちっとしたそばがき団子の滋味深い風味が、じんわりと追いかけてきます。
洋風のイメージがあるポタージュですが、おだしをきかせると、ぐっと親しみやすい和の味わいに。昔ながらのそばがきとの相性も、これが不思議とよく合うんです。とろりとしたスープの中で、そばがきはほろほろとほどけて、スープと一体になっていきます。

特別な材料なんて、なにもいりません。ただ、そば粉とお湯さえあればいい。 ちょっとだけ手間をかけて、自分のために、大切な人のために、温かいものを作る。そんな時間が、なによりも心を豊かにしてくれるのかもしれません。
頑張りすぎなくても、大丈夫。いつもの食卓に、ちょっとした遊び心を加えてみるだけで、景色はがらりと変わって見えるものです。和と洋を気軽に行き来するように、もっと自由に、食卓を楽しんでみたいな、と。そんなことを思った、ある日の食卓でした。
レシピ:手作りそばがき団子の、おだし香る和風ポタージュ
材料(2人分)
- そば粉… 50g
- 熱湯… 50ml
- じゃがいも… 2個(約300g)
- 和風だし… 400ml
- 薄口醤油… 小さじ1
- 塩… 少々
作り方
- じゃがいもは皮をむいて4等分に切る。鍋にじゃがいもと和風だしを入れ、じゃがいもが柔らかくなるまで中火で10分ほど煮る。
- ボウルにそば粉を入れ、熱湯を少しずつ加えながら箸で手早く混ぜる。ひとまとまりになったら、手で一口大に丸めてそばがき団子を作る。
- 1を火からおろし、ブレンダーやミキサーでなめらかになるまで撹拌する。
- 3を鍋に戻して弱火にかけ、薄口醤油と塩で味を調える。2のそばがき団子を加え、温まったら器に盛り付ける。
調理時間の目安: 約20分
おいしく作るコツ: そばがきを作る際は、熱湯を少しずつ加えて練り具合を調整してください。ポタージュはじゃがいもの甘みとだしの風味を活かすため、調味料は控えめにするのがポイントです。


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