旬のお野菜がお店に並ぶと、それだけでわくわくしてしまいますね。
最近は、ボタンひとつで美味しいお料理が届いたり、温めるだけのごちそうが手軽に買えたり、本当に便利な世の中になりました。忙しい日々に、そんな優しさに助けられることもたくさんあります。でも、ふとした瞬間に、キッチンから立ちのぼる湯気の香りや、お野菜をとんとん刻む音が恋しくなったりしませんか?
ある日の晩ごはん。特別なものは何もないけれど、冷蔵庫にあるものでささやかな和定食を作りました。フライパンの上で豚肉が「じゅ〜っ」と焼ける音。お醤油の香ばしい匂いがふわりと広がります。豆苗とたまごは、さっと炒めて彩りよく。炊き立てのごはんはつやつやで、お味噌汁からはふわ〜っと優しい湯気が立ちのぼります。ただそれだけの、なんてことない時間なんですけどね。

でも、私がいちばん「ああ、幸せだなぁ」って感じるのは、もしかしたらお料理そのものよりも、できたてのおかずを「どのお皿に盛り付けようかな」って考える時間なのかもしれません。このお肉には、あたたかみのある土物の器が似合うかな。炒め物の黄色と緑が映えるように、白い小鉢を選んでみよう。お箸とお箸置きを、そっと定位置に並べてみる。そんなふうに、自分の手で食卓をしつらえるひとときが、たまらなく愛おしいんです。

ほかほかの湯気が立つお茶碗は、「さあ、あたたかいうちにどうぞ」って優しく語りかけてくるみたい。丁寧に並べられたおかずたちは、「まずは私から味わってみて」って、そっと食事のはじまりを誘ってくれます。誰かに用意してもらう完璧なごちそうも素敵だけれど、自分の手で整えた食卓には、そんなあたたかな会話があふれている気がしませんか?
そこには、完璧じゃない「すきま」があるからかもしれません。お店みたいにすべてが計算されつくしているわけじゃない。ちょっと盛り付けが偏っちゃったり、お魚の形が不揃いだったり。でも、その手作り感あふれる「すきま」こそが、心をほっとゆるめてくれるのかもしれません。食卓の隅に飾った小さな野の花みたいに、なくても困らないけれど、あるだけで心がふんわり豊かになる。そんな存在に似ています。

便利なサービスに頼ることを、やめる必要なんて全然ないんです。そのおかげで、私たちの心にゆとりが生まれるのですから。ただ、ほんの少しだけ。お気に入りの器を選んでみたり、お箸を丁寧に並べてみたり。そんな、自分の手で食卓を「しつらえる」時間を持ってみませんか? 不器用だって、完璧じゃなくたって大丈夫。そのひと手間が、忘れかけていた「食べる喜び」を、きっと優しく思い出させてくれますよ。
今日の晩ごはん、どんな食卓にしてみましょうか。そんな小さなわくわくから、心豊かな時間が始まるかもしれませんね。
レシピ:豚の生姜焼き
材料(2人分)
- 豚ロース薄切り肉… 200g
- レタス… 2枚
- サラダ油… 小さじ2
- (A)醤油… 大さじ2
- (A)みりん… 大さじ2
- (A)酒… 大さじ1
- (A)しょうが(すりおろし)… 小さじ2
作り方
- レタスは洗って水気を切っておく。(A)の材料は混ぜ合わせておく。
- フライパンにサラダ油をひいて中火で熱し、豚肉を広げながら並べ入れ、両面を焼く。
- 豚肉に火が通ったら、余分な油をキッチンペーパーで軽く拭き取り、(A)を回し入れる。
- タレが全体に絡むように、さっと煮詰める。
- 器にレタスを添え、豚肉を盛り付ける。
調理時間の目安: 約15分
おいしく作るコツ: お肉は焼きすぎると硬くなるので、火が通ったら手早くタレを絡めましょう。


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