穏やかな空が広がるある日、わが家は釜川沿いをのんびりと散歩していました。宇都宮に来てから、こうした何気ない時間を家族で過ごすのがお気に入りの習慣になっています。
ふと目に留まったのは、川のほとりに佇む一軒のお店。ガラス張りの入り口から、壁一面の本棚がのぞいています。コンクリートの壁に木のぬくもりが合わさったその佇まいに、吸い寄せられるように足を踏み入れてみました。

お店の名前は「KMGW BOOKS」。中に入ると、本のインクの香りと、コーヒーの香ばしい匂いがふわりと漂ってきました。大きな書店とは違い、一冊一冊に物語が宿っているような、そんな気配がします。
小説やエッセイだけでなく、デザインの本や素敵な絵本も並んでいて、子どもたちも興味深そうに背表紙を眺めています。どんな人が、どんな想いでこの本を選んだのだろう。そんなことを想像するのも、小さな本屋さんならではの楽しみ方かもしれません。

夫が気になった本を一冊手に取り、私はカウンターで温かいコーヒーを注文することに。本と一緒にドリンクを買うと、少しだけお値段が優しくなるのも嬉しい心づかいです。

コーヒーカップを片手に、お店の前のベンチに腰掛けました。目の前を流れる釜川のせせらぎが、心地よいBGMのよう。買ったばかりの本のページをそっとめくりながら、ゆっくりとコーヒーを味わいます。慌ただしい毎日の中で、忘れてしまいがちな、心に余白が生まれるような時間でした。

これまでいくつもの土地を移り住んできた私たちにとって、新しい街に根を下ろすということは、こうした心安らぐ場所を一つひとつ見つけていくことなのかもしれません。
この街の景色に、またひとつ、愛おしい色が加わったような気がします。次にこの道を通るときは、どんな本に出会えるだろう。そんなささやかな楽しみを胸に、わが家はまた歩き出しました。
店舗情報
KMGW BOOKS(カマガワブックス)
・住所: 日本、〒320-0803 栃木県宇都宮市曲師町4丁目11−1
・地図: Google Mapsで見る


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