風が心地よい休日にでかけたキャンプ。その帰り道、クーラーボックスの底にぽつんと残った食材たちが、なんだかとても愛おしく感じられることがあります。非日常の楽しさと、いつもの我が家へ帰ってきた安心感が入り混じる、あの特別な感覚。
そんな日の夜ごはん、皆さんはどうしていますか?

クーラーボックスを整理していると、キャンプで奮発したお肉が数枚、顔をのぞかせました。すぐに冷凍してしまうこともできるけれど、この楽しかった週末の余韻をもう少しだけ味わっていたい。そんな気持ちになって、今夜いただくことにしました。
といっても、特別な準備はなにもしません。凝ったタレも、たくさんの付け合わせも、今日は必要ないんです。
フライパンをあたためて、お肉をそっと置く。じゅわっ、と心はずむ音が台所に響きわたります。立ちのぼる香ばしい香りに、思わずおなかがきゅるるっと鳴りました。付け合わせは、冷蔵庫にあったキャベツを手でちぎっただけの、ごくシンプルなもの。
炊きたての白いごはんに、きのうの残りのお味噌汁。それから、常備している自家製のピクルスと、ゆで卵を添えたら、もう十分すぎるほどのごちそうです。

ほかほかのごはんの上に、焼きたてのお肉をひと切れ。はふはふと頬張れば、お肉のうまみが口いっぱいに広がって、じんわりと心に染みわたるようです。外でみんなとわいわい食べる焼肉も格別ですが、こうして静かな家でゆっくりと向き合うお肉も、また違った趣があります。

なにも特別なことはしていません。むしろ、キャンプの残り物で済ませた、いつもより少し手抜きなくらいの夜ごはんです。でも、窓から入る夜風を感じながら、今日一日のこと、週末のことをのんびり振り返るこの時間は、とても満ち足りたひとときでした。
「ごちそう」というのは、必ずしも豪華な食材や手間ひまをかけた料理のことだけを指すのではないのかもしれません。食材を大切に使い切るささやかな工夫と、その時間を慈しむ気持ち。それさえあれば、いつもの食卓が、ふっと心休まる豊かな場所になる。そんなことを、じゅわっと焼けるお肉の音を聞きながら、改めて感じた夜でした。
レシピ:おうち焼肉
材料(2人分)
- 牛焼肉用肉… 300g
- キャベツ… 2〜3枚
- 卵… 1個
- 塩… 少々
- 粗びき黒こしょう… 少々
- サラダ油… 小さじ1
作り方
- 鍋に卵とかぶるくらいの水を入れて火にかけ、沸騰したら中火で8〜10分ゆでる。冷水にとって冷まし、殻をむいて半分に切る。
- キャベツは手で食べやすい大きさにちぎる。牛肉は焼く前に冷蔵庫から出して常温に戻しておく。
- フライパンを中火で熱し、サラダ油をひく。牛肉を並べ入れ、片面に塩、粗びき黒こしょうを振る。
- 焼き色がついたら裏返し、同様に塩、粗びき黒こしょうを振って好みの加減に焼く。火から下ろし、食べやすい大きさに切る。
- 器にキャベツを盛り、その上に焼いた肉をのせ、ゆで卵を添える。
調理時間の目安: 約15分
おいしく作るコツ: お肉は焼く前に常温に戻しておくと、火の通りが均一になります。シンプルな味付けなので、焼きすぎずにお肉本来の旨味を楽しみましょう。
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